秋田県 令和7年度 県内企業の採用力拡大支援事業

2025.09.05

採用力拡大に向けたオープンセミナー【第2回】「インターンシップ」(アーカイブ視聴可)

▼開催概要
令和7年度 秋田県採用力拡大支援事業 セミナー 第2回「インターンシップ」
■日時:2025年8月27日(水)13時~15時30分
■場所:秋田拠点センターアルヴェ2階 多目的ホール
■登壇者:講師 平松しのぶ氏(株式会社モザイクワーク)

 「採用力拡大支援事業」の第2回目オープンセミナーを8月27日に開催しました。
テーマを「インターンシップ」と題し、講師には株式会社モザイクワーク取締役の平松しのぶ氏を迎え、会場・オンライン計80社を超える県内企業が参加しました。
まずは平松氏による講演が行われ、主にインターンシップを実践するにあたっての事例や学生が参加したいと思えるプログラムなどを解説しました。

 平松氏は冒頭、首都圏企業でさえわざわざ地方まで来て採用活動をしており、採用活動に関する活動量が多いという現状を説明しました。また、「活動量を増やしていかないと日本全国どこであろうと若い人を採用することは困難であり、インターンシップについても同様である。したがって、今日お伝えする情報を実践できるところからすぐに始めていただきたい」とお話しされました。

 次に、インターンシップ等を取り巻く状況に関して、各種調査結果をもとに説明がありました。
平松氏によると、現在約8割の企業がインターンシップ等を実施しており、学生が参加する時期は夏休みや冬休みに集中しているとのこと。
また、学生がインターンシップを探す際に重要視するポイントはプログラム内容の詳細であり、今の学生は曖昧なものへの参加を避ける傾向があるため、具体的に何をするのか、どういうことが得られるのかがわからないと行動しないことについても説明がありました。

 そのため平松氏は、「インターンシップ等の募集を行う際は、プログラム内容を具体的に伝えていかないと学生に参加してもらえないことを認識する必要がある」とお話しされていました。

 また、社員との懇談会や仕事体験など、社員との接点があればあるほど、学生の満足度につながること、業務への理解を深めるだけではなく、グループワークなどを通じて他者から刺激を受けると学生が自己成長を実感して高い満足度につながること等について説明がありました。具体的な実施事例として秋田県内企業のインターンシッププログラムなどの紹介も行いました。

 説明を受けた後にはワークを実施。
参加者自身が自社の現状を想定しながら、ターゲットになる学生の仮想プロフィールを立てるペルソナ設計および、インターンシップ等を行う際の目的や具体的な内容の整理をしました。

 休憩を挟んで行われた第二部では、昨年度本事業に参加した株式会社柳澤鉄工所(鹿角市)の人事担当者が登壇し、自社の取組事例を発表しました。あらゆる鉄製品の加工製造を営む同社は、従業員の高齢化が進む中、現在の採用プロセスを見直すとともに企業としてのブランドイメージを構築することで、優秀な若手人材を確保し、技術の継承と組織の活性化を図りたいと考え本事業に参加したといいます。

 課題解決の第一歩として、インターンシップの新規導入に向けた取組を進め、昨年12月には秋田公立美術大学との共同で5日間、プレインターンシップという形でワークを実施し、学生を迎えました。作業場ごとの職場体験やミーティング等のプログラムを通じ、特に社員の積極的な声掛けや準備、当日の対応力の高さなど新しい発見があったといい、実施の主目的である「インナーブランディングの向上」に効果が感じられたとのことです。また、プレインターンシップ実施後の反省を踏まえ、漫画風の紹介冊子や実施レポートリーフレットなどを作成。次年度以降の展開も期待されます。

 その他にも、講座や専門家派遣による伴走支援で実施した、社内アンケートによる「PRすべき自社の魅力」の整理ができたことや、学んだ広告掲載のテクニック、SNSの展開なども有効だったと説明されました。

 実際の成功体験に基づいた発表に参加企業は興味深く発表を聞き入り、自社で導入できる情報の収集につながる有意義な場としていただいた模様でした。

 次回の第3回目セミナーは9月29日(月)、「現状分析・課題整理」をテーマに実施します。